自己ベスト-2 |
齢を重ね、精神の深まりをみせる詞たち。成熟した愛のかたちを今作はみせてくれます。例えばミドルエイジのためのラヴソング「たしかなこと」や、NHKで小田氏が手紙で述べた“これからは友達と思い出が勝負”を思わせる「ひとりで生きてゆければ」。そして番組でも象徴的に扱われた「the flag」など。どの曲も人生の分岐点のようなアクセントを持つうたが集められています。
また一方「こころ」や「ダイジョウブ」の若いラヴソングでも、人生というトータルの中で、若さの意味を滲ますようにその瞬間が描かれます。それもスリムで無駄のないメッセージを織り込んでいるんですね。元々“間”をきかせる歌手ですが更に行間を感じさせるラヴソングになっていました。しかも声はエヴァーグリーンの瑞々しさをみせるのですから、氏の曲主題はもう普遍的に広い世代へ吹き始める次元に入っている気がします。 他方、昨今多くの歌手に歌われている「生まれ来る〜」や「君住む街へ」「いつかどこかで」も久しぶりにこうした列に加えられてみると、他の曲達と意図をもって共鳴をしているようでした。 ところで、日本のうたはいま、60を迎える小田氏らがみる新しい視線や感覚をその真っ白なページに書き加え財産にしようとしています。かつてこれほどの齢のアーティスト達が尚も新しい創造とパフォーマンスをし、且つ市場に通用したことはほとんどありません。 しかも例えば中島みゆき、竹内まりや、浜田省吾、佐野元春、矢野顕子、ASKAらは50という年齢を超えたここにきて傑作を生み続け(ASKAは第二の全盛期と呼べる歌声が到来し、矢野に至ってはレイハラカミと音響系の当に最先端をゆく)、また桑田佳祐や矢沢永吉らはその活動に新たな境地を見出そうとしています。かつて開拓者だった彼らレジェンドの多くが人生の初秋を迎えようとするに辺り、新しい創作の季節を迎えようとしているのです。 彼らがみつめる世界は、人生を彩る歌たちは、いったいどんな地平を捉えようとしているのか、我々日本のリスナーはその精神世界の果実を今後とも注目してゆく価値がありそうです。この作品もそんな境地が垣間見れ、透明な風に吹かれています。でも決して寂しさじゃなく、ぴかぴかして明るい希望のPOPSが流れてゆくのが作品の、作者の充実さだと実感されます。 |
そうかな |
きっと、あれ?この曲どこかで聴いたなーと思う人が多いのではないでしょうか。
オリジナルアルバムというよりも、オムニバス盤に近いイメージです。 曲は良いんですが、ジャケットのセンスには???かなー。 |
「それは、突然、嵐のように…」 DVD-BOX |
私は江角マキコさんFanではないし、全体的にキャストにもストーリーにも魅力を感じませんでしたが、主役二人の雰囲気は良かった。「クロサギ」と見比べてまだ幾分か幼さを残す高校生ダンサー役の山下君と、主婦と言うよりはお洒落なキャリアウーマンの江角さんとでは全然チグハグで二人がお互いのどこに惹かれたのか解りませんが… どうする事も出来ないと思いながらも相手を好きでたまらないという切なさは言葉にしなくても伝わってきました。山下君から渡された血だらけの二千円札を握り締めてお互いの想いを押さえ切れなくなった二人が抱き締め合うシーンは素敵でした。早朝の人気のないダンスフロアでの、お互いを慈しむような長い包容にはため息が出ます。ドラマのために書かれた小田和正さんの主題歌がすごく効を奏して二人の恋をドラマチックに盛り上げていました。 “女性は何歳になっても恋が出来る”というのは世界共通だと思います。そういう自分でありたいとこのドラマを観て再確認してしまうのは私だけではない筈。ときめきを感じたい人にはお薦めですね |