邂逅の森 (文春文庫) |
時代に翻弄され、地域の因習につまずき、
荒ぶる自然に棲みかを求め、北へ北へと流浪する その姿はまるで獣 静寂の闇は大地に生きるものの一瞬のやすらぎ 読者の下半身までがうずき獣と化す 尚、付属解説「人生の喜び、よき邂逅」 田辺聖子の推奨文は超絶品! 過去これ以上の推奨文を読んだことはありませんでした。 |
山背郷 (集英社文庫) |
いつもきまった作家の作品ばかり手にとってしまう。たまには新しい作家にも目を向けないとと思い、大好きな山本周五郎賞を受賞した作品ということで、手に取った。 同賞を受賞した作品のすべてを読んだわけではないが、 ストーリー展開やモチーフの面白さはもちろん秀逸。 |
漂泊の牙 (集英社文庫) |
東北の動物、歴史、なによりも人をテーマに書き続けている作者の比較的初期の作品。
絶滅したニホンオオカミや漂泊の民サンカの歴史がからみ、起こる事件は陰惨なのですが、ミステリー仕立てなのであまり抵抗なく読めます。ミステリー仕立てなのは良いのですが、最後の結末はう〜ん。なんで最後にそこを撃つかなぁ。そこまでの盛り上げ方、サスペンス的要素が良かっただけにちょっと残念。 |